人間ドック解体新書

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腹部超音波検査(胆嚢疾患)

 


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ども、エコー技師です(*゚∀゚*)

 

今回は、腹部超音波検査でみつかる代表的な胆嚢疾患についての説明です。

 

腹部超音波検査は腹部CT検査と違い被爆がないため人間ドックのスクリーニング検査として行われることが多いです。

しかし、所見をみてもそれがなんなのか本当に経過観察で良いのかどうか不安になることがあるのではないでしょうか?

疾患の原因・良性or悪性・経過観察もしくは精密検査(必須or推奨)が必要かを解説していきます。

 

 

 

 

胆嚢ポリープ(10mm未満)

 

胆嚢ポリープは胆嚢にできる隆起性病変(ニキビみたいなできもののこと)の総称です。

 

【原因】10mm未満で発見される胆嚢ポリープはコレステロールポリープが多いです。これは、コレステロールが固まって胆嚢にイボのようにくっついてできる(正確には違いますがこのぐらいのイメージで大丈夫です)。

 

【良性or悪性】良性

 

【経過観察】6ヶ月〜12ヶ月に1度

胆嚢ポリープ(10mm未満)は良性の可能性が高いです。しかし、早期の胆嚢癌の可能性もあるためサイズが増大していないかどうか経過観察が重要です(癌の場合はサイズ増大するスピードが早い)。

 

 

胆嚢ポリープ(10mm以上)

 

【原因】胆嚢ポリープ(10mm未満)が成長してできる。

 

【良性or悪性】どちらとも言えない

 

【精密検査】推奨

胆嚢ポリープが10mm以上になってくると悪性の可能性が高くなってきますので悪性でないかどうかを精密検査で確認します。

 

 

胆嚢結石

 

【原因】コレステロールが固まってできます。

 

【良性or悪性】良性

 

【経過観察】6ヶ月〜12ヶ月に1度

胆嚢結石は良性です。しかし胆嚢結石が胆嚢壁に当たって刺激を与え続けると胆嚢に炎症がおきたりするので経過観察が重要です。

また、胆嚢癌の方の約50%は胆嚢結石を併発しているともいわれていますので経過観察が重要です。

 

 

胆嚢腺筋腫症

 

【原因】胆嚢の壁がメキメキ成長して厚くなってできます(正確には違いますがこのぐらいのイメージで大丈夫です)。

  

【良性or悪性】良性

 

【経過観察】6ヶ月〜12ヶ月に1度

胆嚢腺筋腫症は基本的に良性です。しかし、胆嚢腺筋腫症と類似する超音波所見を認める疾患として胆嚢癌があるため初所見で胆嚢壁の厚さがかなり厚かったり、前回より壁の厚さが増大している場合は精密検査となります。

稀にですが胆嚢腺筋腫症と合併した胆嚢癌も発見されていますので経過観察や精密検査は重要です。

 

 

胆嚢腫瘍

 

【原因】胆石などにより胆嚢壁が刺激され続けて一部が癌化してできるなど諸説あります。他臓器から癌が浸潤してできる場合もあります。

 

【良性or悪性】悪性

 

【精密検査】必須

胆嚢腫瘍は悪性ですので必ず精密検査が必要です。ただし、超音波検査で胆嚢腫瘍と診断されても、良性ポリープの大きいものなど良性疾患の場合もあります。

 

以上です、今回解説した胆嚢疾患は超音波検査で見つかる代表的なものです。他に解説をしてほしい疾患がありましたらコメントお願いします。人間ドック・健康診断を受診された施設で今回解説した経過観察期間や精密検査(必須or推奨)と異なる場合もありますのであくまで参考としてください。

 

次回は、腹部超音波検査でみつかる胆道疾患の解説と経過観察・精密検査の重要性を解説したいと思います。

 

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