人間ドック解体新書

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腹部超音波検査(胆道疾患)

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ども、エコー技師です(*゚∀゚*)。

 

今回は、腹部超音波検査でみつかる代表的な胆道疾患についての説明です。

 

腹部超音波検査は腹部CT検査と違い被爆がないため人間ドックのスクリーニング検査として行われることが多いです。

しかし、所見をみてもそれがなんなのか本当に経過観察で良いのかどうか不安になることがあるのではないでしょうか?

疾患の原因・良性or悪性・経過観察もしくは精密検査(必須or推奨)が必要かを解説していきます。

 

解説の前に、胆道がどんなものかご存知でしょうか?

胆道とは、肝臓で作られた胆汁(食べ物の消化を助けるもの)の通り道のことです。

胆道は大きく2つに分類され、肝内胆管、肝外胆管とに分類されます。

肝内胆管は、肝臓内の胆汁の通り道で肝外胆管は肝臓外の胆汁の通り道です。

そして胆道は最終的に膵臓の頭部を通り12指腸内部に到達します(12指腸に胆汁を排出して消化を助ける)。

まとめると、胆汁の流れ道は肝内胆管→肝外胆管→膵頭部→12指腸といったイメージです。

 

以上のことを理解していただくと胆道疾患に関する精密検査の重要性がより分かると思います。

 

 

 

 

肝内胆管拡張

 

 

【原因】悪性腫瘍などにより胆管が狭窄または閉塞(肝内胆管〜12指腸の区間)されると行き場を失った胆汁が溜まり胆管が拡張します。

胆石が胆管につまり拡張することもあります。 

 

 

【良性or悪性】悪性疾患が潜んでる可能性有

 

 

【精密検査】必須

肝内胆管は胆汁の通り道のスタート時点ですのでそれよりゴール側の肝外胆管・膵頭部・12指腸に悪性腫瘍がある場合でも胆管は拡張します。胆管の拡張の原因が悪性腫瘍のものでないかどうか精密検査が必要です。

 

 

肝外胆管拡張(総胆管拡張)

 

 

【原因】悪性腫瘍などにより胆管が狭窄または閉塞(肝外胆管〜12指腸までの区間)されると行き場を失った胆汁が溜まり胆管が拡張します。

胆石が胆管につまり拡張することもあります。

 

 

【良性or悪性】悪性疾患が潜んでる可能性有

 

 

【精密検査】必須

肝外胆管は生理的変動で拡張することもしばしばあります。

しかし、肝外胆管よりゴール側の膵頭部・12指腸に悪性腫瘍が潜んでる可能性がありますので精密検査が必要です。

 

 

肝外胆管結石(総胆管結石)

こちらに関しては、胆石がコロコロと胆管まで落ちてきた状態です。胆石からの刺激で胆管に炎症がおきたり、膵臓に炎症がおきたりするので薬による治療手術が必要です。

 

以上です、今回解説した胆道疾患は超音波検査で見つかる代表的なものです。他に解説をしてほしい疾患がありましたらコメントお願いします。人間ドック・健康診断を受診された施設で今回解説した経過観察期間や精密検査(必須or推奨)と異なる場合もありますのであくまで参考としてください。

 

 

次回は、腹部超音波検査でみつかる腎臓疾患の解説と経過観察・精密検査の重要性を解説したいと思います。

 

 

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