呼吸機能検査(スパイロメトリー)の意味と上手に検査をするコツ
ども、エコー技師です(*゚∀゚*)。
人間ドックを受診されたことのある方は「息を大きく吸って一気に吐く」検査をしたことがある方が多いのではないでしょうか?
この「息を大きく吸って一気に吐く検査」が呼吸機能検査(スパイロメトリー)になります。
今回は、呼吸機能検査(スパイロメトリー)の意味と上手に検査を受けるコツを説明していきます。
呼吸機能検査(スパイロメトリー)はなにを調べているのか?
簡単にいうと息をちゃんと吸い込めるか、息をちゃんと吐きだせるかをみています。
皆さんも聞いたことがあるかもしれないCOPD(慢性閉塞性肺疾患)もこの検査でわかります。
閉塞性肺疾患と拘束性肺疾患とは?
閉塞性肺疾患:気管支喘息やタバコの吸いすぎなどにより気道(空気の通り道)に炎症が発生し気道が狭くなることで息が吐きにくくなった状態(この状態が持続すると慢性閉塞性肺疾患)。
つまり、「勢いよく息が吐けない」ということです。
風船の空気を出すときに出口を狭くするとなかなか最後まで空気が出ていかないようなイメージをもっていただけるとわかりやすいと思います。
拘束性肺疾患:特発性肺線維症(肺が線維化して固くなる)などにより肺胞がうまく広がらずに空気を取り込めなくなった状態。
つまり、「息がうまく吸い込めない」ということです。
風船を膨らませるときに風船のゴムが硬かったり厚かったりすると膨らませるのが大変!!!というようなイメージをもっていただけるとわかりやすいかと思います。
努力性肺活量と1秒率
上記の疾患であるかどうかを調べるための項目が努力性肺活量・1秒率です。
努力性肺活量:胸いっぱい吸い込んだ空気を最大の速度で吐き出した時の空気の量です(どのぐらい空気を吸い込めたのかが判明します)。
たくさん空気を吐ける=空気をたくさん吸えている
1秒率:努力性肺活量のうち、最初の1秒で吐き出した空気の割合のことです。
1秒率が高い=1秒でにたくさんの空気が吐ける=気道が狭くない
努力性肺活量が低いということは、「息がうまく吸い込めていない」ということなので拘束性肺疾患の可能が疑われます。
1秒率が低いということは、「勢いよく息が吐けない」ということなので閉塞性肺疾患が疑われます。
努力性肺活量の基準値はどのようにしてきまるのか?
性別・年齢・身長・体重から計算して基準値が決定します。
努力性肺活量の基準値に対して自分の努力性肺活量がどのぐらいの割合なのかをあらわしたのが%肺活量(よく、肺活量何%?ときかれることが多いのはこの%肺活量)
★%肺活量の基準値は80%です(80%を下回ると拘束性肺疾患が疑われます)。
★1秒率の基準値は70%です(70%を下回ると閉塞性肺疾患が疑われます)。
検査の順序
施設によって検査を立って行うとこや座っておこなうとこがあると思います。
①数回楽に呼吸をします。
②胸いっぱい大きく息を吸い込みます。
③最大の速さで息を最後まで吐き切ります。
④息を吐き切ったら楽にします。
検査はこれで終了です。
検査のコツ
呼吸機能検査(スパイロメトリー)が苦手な方のために注意点やコツです。
★力の抜いてリラックスしましょう
よし!頑張っていい記録を出すぞ!と頑張る気持ちはありがたいのですが、全身に力が入っていてはいい結果はでません。力を抜いてリラックスです。
息を大きく吸って最大のスピードで吐く時に呼吸を頑張ってください。
★マウスピースは軽く咥えるだけにしましょう
口で筒のようなもの(マウスピース)を咥えてそこから息を吸ったり吐いたりしますが、マウスピースを噛みすぎてペシャンコになっている時があります。当然空気の通り道がペシャンコになればうまく空気が吐けなくなるので外に空気漏れたりして正確に検査ができません。
★マウスピースに舌がなるべく付かないようにしましょう
これもマウスピースを噛みすぎた場合と似ていますが、空気の通り道に舌があるとそれだけ空気が通りにくくなるので外に空気が漏れたりして正確に検査ができません。
★マウスピースを深く咥えすぎないにしましょう
口の奥にマウスピースがあると息を吐きにくくなります。目安としてはマウスピースの3分の1程度を咥えるようにしてみてください。
★息は一気に最後まで吐き切りましょう
呼吸機能検査(スパイロメトリー)が初めての方に多いのですが、息を吐き切らずに検査を終了してしまう方がいます。最後まで息を吐き切らないと正確な努力性肺活量や1秒率が測定できません、苦しいとは思いますが最後まで息は吐き切りましょう。
以上になります。
呼吸機能検査(スパイロメトリー)が苦手な方はこの記事を人間ドックの前に読んで検査に挑んでみてください。
いい結果がでるかもしれません。
記事を書いたのは久しぶりなのですが、ショックな出来事が2連続で起きて意気消沈しておりました。
ショックな出来事に関しても機会があれば記事にしてみたいなと思っています。
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