腹部超音波検査(腎臓疾患)
ども、エコー技師です(*゚∀゚*)。
今回は、腹部超音波検査でみつかる代表的な腎臓疾患についての説明です。
腹部超音波検査は腹部CT検査と違い被爆がないため人間ドックのスクリーニング検査として行われることが多いです。
しかし、所見をみてもそれがなんなのか本当に経過観察で良いのかどうか不安になることがあるのではないでしょうか?
疾患の原因・良性or悪性・経過観察もしくは精密検査(必須or推奨)が必要かを解説していきます。
解説の前に、尿が排出されるまでの流れを簡単に説明します。
腎臓で尿が生成→腎臓の中心(腎盂)→尿管→膀胱→尿道→FINISH!!!!!
と言った感じです。
この流れを理解していると後で解説する水腎症のイメージがつきやすいと思います。
知ってる人が少ない?腎臓に石ができる原因も記載しましたので周りの人にも教えてあげて下さい。
腎嚢胞
【原因】腎臓の隙間に体液が入り込んでそれが溜まって水が入った袋状のものになりできる。炎症によって水ぶくれのような状態になったりすることでできる。
【良性or悪性】良性
【経過観察】6ヶ月〜12ヶ月に1度
腎嚢胞は基本的に良性です。
まれに嚢胞成分をもった悪性腫瘍も存在しますので、嚢胞の性状が変わってないか、サイズが増大していないかなど経過観察が重要になります。
腎結石
【原因】水分をあまり取らない方に多く、水分を多くとらないと尿が排出されにくくなるので結晶化して固まってできます。
食事をとってすぐに睡眠をとられるかたも尿が濃くなるので尿が結晶化してできます。
【良性or悪性】良性
【経過観察】6〜12ヶ月に1度
腎結石は良性ですが腎結石が尿管(尿の通り道)に詰まると腎臓に尿が停滞して溜まり(水腎症)炎症がおきますので治療や精密検査が必要になります。
腎血管筋脂肪腫
【原因】腎臓の一部分に脂肪・血管などの成分が限局的に集まってできます。
【良性or悪性】良性
【経過観察】1〜6ヶ月に1度
腎血管筋脂肪腫は良性ですが腎血管筋脂肪腫と類似する超音波所見を認める疾患として腎細胞癌があるためサイズが大きい場合は精密検査となることがあります。
水腎症
【原因】悪性腫瘍や結石によって尿管(尿の通り道)がつまり腎臓に尿が溜まることでできる。
【良性or悪性】悪性腫瘍が潜んでる可能性有
【精密検査】必須
女性の場合、おしっこを我慢していると軽度の水腎症になることがあります、軽度の場合は経過観察となることもあります。
基本的に水腎症の原因が結石の場合は治療となります。
水腎症の原因がわからなかったり悪性腫瘍の可能性がある場合は必ず精密検査が必要です。
腎腫瘍
【原因】腎臓細胞が癌化してできます。
他臓器の癌が転移してできている場合もあります。
【良性or悪性】悪性
【精密検査】必須
腎腫瘍は悪性ですので必ず精密検査が必要です。
ただし、腹部超音波検査で腎腫瘍と診断をされても類似する所見を示す腎血管筋脂肪腫などの良性疾患であることもあります。
以上です、今回解説した腎臓疾患は超音波検査で見つかる代表的なものです。他に解説をしてほしい疾患がありましたらコメントお願いします。人間ドック・健康診断を受診された施設で今回解説した経過観察期間や精密検査(必須or推奨)と異なる場合もありますのであくまで参考としてください。
次回は、腹部超音波検査でみつかる大動脈疾患の解説と経過観察・精密検査の重要性を解説したいと思います。
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